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『奇跡の脳』(ジル・ボルト・テイラー著)

脳科学者の著者が脳卒中を経験し、回復の過程で得た洞察を記した本。脳の役割を左脳と右脳と大きくわけ、「いま、ここ」にあることの喜びを感じる右脳と、論理的で(あるいは理屈っぽくって)、あるいはちょっと攻撃的で、過去・現在・未来を把握したがる左脳をどうバランスさせていくのか。
英語の本のタイトルは、とてもいい。My Stroke of Insight. 脳卒中と衝撃、一撃というニュアンスの言葉(stroke)のひっかけ。脳卒中から回復する過程で得た洞察。翻訳者もいろいろと考えてみて、結局、「奇跡の脳」となったのでしょうが、「悟り」とか、「洞察」という言葉をもっと前面に出さなかったのはどうしてでしょうか。
ぼくは左利きで、通説的には、左利きは右脳を刺激するというようなことが言われますが、どうなんでしょうか?

この本を読んでいて思ったこと。AIには右脳、左脳って、あるのでしょうか?AIは所詮左脳しか持ちえないのでしょうか?

カイの三周忌

8月15日はカイ(1999年ー2015年)の三周忌。わが家の永遠の愛犬。
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「戦後思想を考える」(日高六郎著、岩波新書)

1980年前後に各所で発表された文章をまとめたもの。
今年6月に亡くなった日高六郎の本は、これで2冊目。前回は、6月に「戦争のなかで考えたこと」。

どの文章もとても読みやすく、著者がジャーナリスティックなセンスも持っていたことをあらためて認識しました。この本が出たころは、ぼくは大学在学中で、もしかして、この本の中にはいっている文章のひとつやふたつは、最初に発表された雑誌(たとえば朝日ジャーナル)にでた時に、読んでいたかもしれません。

なお、日高六郎については、大学1年の時の、ぼくら一橋大学P9のフランス語教師だった海老坂武先生が、東京新聞に追悼の文章を書いています。

戦争中の「滅私奉公」から、戦後「滅公奉私」の時代に代わり、その傾向はますます強くなるという観察は、30年以上たったいまに続く、著者の的確な予測であったと思います。

日高の本はもうあまり読まれていないのかもしれません。まとまった著作集のようなものは出ていないようですし、アカデミックな観点からの評価には複雑なものがあるように見えます(例:ウィキペディアで紹介されている、1958年に恩師の当時東大文学部社会学科教授尾高邦雄による、以下のような言葉。「…日高君は思いつきと構想力の天才である。それなのに、まだ自分の仕事らしい仕事を発表していない。(中略)思いつきのよさはとかくジャーナリズムから重宝がられる。それだけに、社会学プロパーからやや遠ざかつたところで仕事をしている彼に、わたくしはもう一度社会学に帰れ、と呼びかけたいのだ)

象牙の塔で生きていくには、彼は向いていなかったのかもしれませんが、視点の鋭さや文章のわかりやすさには、とても魅力のある方だと思います。

久しぶりの秋田訪問、秋田犬に愛をこめて!

全国の高等学校で情報教育を行っている先生方の集まり(全国大会)に参加するために秋田訪問。
この1、2年、秋田にはご無沙汰していますが、先輩の須賀さんが国際教養大学で客員教授を行っていた間は毎年12月に、須賀さんの授業に呼んでいただきました。今回で秋田訪問は10回くらいにはなるのでは?!
専門学校、秋田大学生協など、日ごろお世話になっている関係者を訪問。
写真は長年にわたって、試験会場としてたいへんお世話になっている、株式会社アイネックスの鎌田社長と。
(市内中心部にある、エリアなかいちの「秋田犬ステーション」前で。秋田犬は大人気!)

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秋田と言えば、秋田犬。
秋田犬と言えば、この本をぜひお読みください。
Dog Man
アメリカン・ブック&シネマ(ぼくが発行人です)で出した本で一番思い入れがある本です。

5歳の女の子に叱ってほしい大人たち

7月最終週から一週間ほど、アメリカに行ってました。昨年はどうしても離れることができない理由があって欠席したMOS世界学生大会に参加するため、ニューヨーク経由でフロリダのオーランドに。東京もメチャクチャの猛暑だったので、いつもならうんざりする夏のフロリダも快適だった。今年は4名の学生を派遣。そのうち、船橋情報ビジネス専門学校の学生、大野君がエクセル2016の部門で2位入賞。残り3名の大学生たちは、残念ながらいい結果を残すことができず、大野君が専門学校生の「意地」を発揮した結果になりました。

ところで、春に始まったNHKのクイズ番組、「チコちゃんに叱られる!」にはまっています。5歳の女の子、チコちゃんがサイコー。
憲法を捻じ曲げても平気なソーリ大臣や、裏でなにやっているかわからない大学の理事長たち、規則破ったのが見つかったら勝手に自分の給料をちょこっと減らして反省してますというポーズをとる政治家たち。「国民をなめんじゃないよ~!」と、チコちゃんにぜひ叱ってもらいたいよ。

『現代アートとは何か』(小崎哲哉著)

『現代アートとは何か』(小崎哲哉著)より。

「総じて言えば、日本という国の現況が、そのまま日本のアートシーンの現況に重なって見える。いわゆる内向き志向が強く、海外に対する関心が薄い。相変わらず言語の壁が立ちはだかり、海外事情を正確に把握している者も少ない。事なかれ主義と「忖度」が蔓延し、状況を変革しようという気概を持つ者はなかなか現れない。ポピュリズムも横行し、本物志向は避けられ、軽いものばかりがもてはやされる。独創性は忌避され、何事も右へ倣えという風潮が支配的。経済格差が広がり、多くの者がその解消は不可能だと諦めている。女性の社会進出が叫ばれる一方、男性優位で男尊女卑の実態は変わらない。
日本のアートシーンにおける問題は、ほとんどが情報や知識の欠如に起因する。同時代的な情報や知識、歴史的な情報や知識の双方である。他国の状況を知らないから、自国の状況が当たり前だと信じ込んでしまう。歴史を知らないから、小さなミスや見逃しが将来に禍根を残すことに気づかない。日本は、このままでは世界のアートシーンから取り残される。日本という国が、同じ理由で世界から取り残されることもありうるのではないか。」(412-413ページ)

この本全体に言えることですが、気持ちいいほど、著者は考えをはっきりと書かれています。

『愛国心に気をつけろ!』『群れない 媚びない こうやって生きてきた』

『愛国心に気をつけろ!』は、岩波のブックレットシリーズから。このブックレットシリーズ大好き。なんと言っても読みやすく、手軽。でも一定のクオリティはちゃんとクリアしている。「右翼」鈴木邦男からの、押し付けの愛国心には気をつけろというアドバイス。愛国心もそうだけど、親を大切にしろとか、たくさん子供を産めとか、政治家に言われる筋合いはないからね。大雨で死者もでているというのに、ニヤニヤしながら酒を呑んでいる写真を平気でネットにあげる特権階級の政治家の先生たちからは特に、ね。

『群れない 媚びない こうやって生きてきた』は、同じ早稲田の教育学部で同級生だった下重暁子と黒田夏子という二人の作家の対談。下重さんが東京新聞に連載していた半生記の中で、この本の紹介があって読んでみた。結構おもしろかった。下重さんはずけずけとはっきりモノをいう方だし、黒田さんは75歳で芥川賞受賞という最年長記録保持者。黒田さんの作品論がとてもおもしろかったし、下重さんの初体験の話も。おふたりくらいの年齢の女性のお話は迫力がある。

冷房の効いた部屋で読書するに限る

先週は金曜日、土曜日、2年ぶりに熊本、鹿児島を訪問。試験会場になっていただいているお取引先の専門学校やPCスクール、新規でお取引いただきたいと希望している地元の地銀をお伺いしました。お時間いただいた熊本、鹿児島のみなさまに感謝です。

先週は機内、ホテルで、空いた時間を利用して、『ベラスケス_宮廷の中の革命者』(岩波新書)を読みました。20代後半、縁あってなんどかスペインに導かれ、プラド美術館にも行きました。今年は久しぶりにスペインに行ってみたいなとも思っています。
つぎには、手元にある神吉敬三先生の『巨匠たちのスペイン』から「ベラスケス_生涯と芸術」を読んでみよう。ちなみに、この本の終わりに付け加えられた「神吉先生を偲ぶ」は、岩波新書のベラスケスの著者である大高保二郎先生によるもの。
狂ったように暑い今年の夏は、冷房の効いた部屋で読書するに限ります。

『確率論と私』(伊藤清著)

日本が誇る数学者、伊藤清(1915-2008)のエッセイ集。先生の著作の中で、ぼくのような数学オンチが読める本はこの本一冊のみだと確信をもっていえます。お金に頓着せず、研究にすべての時間をささげた方の成果が、ご本人の意図しない形でウォールストリートのオプション理論に応用され、金もうけの武器として利用されたという皮肉。そのことをこのエッセイ集の中で、「喜びより、むしろ、大きな不安に捉えられた」と書かれています。
先生の理論をすこしでも理解できるようになりたいものです。

映画『クワイ河に虹をかけた男』と小説『奥のほそ道』

昨年でしょうか、日本映画専門チャンネルで録画したドキュメンタリー映画を今週末、ようやく観ました。
日本の戦争責任を認めることは愛国心に欠ける非国民だと考える人もいるのかもしれませんが、そういう人たちに、この映画の主人公のことを知ってもらいたいと思います。
戦争責任を認めることが非国民だとは思いませんし、愛国心に欠けるなんて、まったく思いません。過去の間違いがあったとしたら、それを認め、許しを請うことこそ、勇気ある態度であり、愛国心ある行為ではないのか。

この映画の主人公が戦時中、通訳者としてみた泰緬鉄道の工事現場で起こったさまざまな出来事を、われわれも少し知っておいたほうがいいように思います。

ちょうど、今年、「奥のほそ道」というオーストラリア作家の作品が翻訳出版されました。すでに買ってあり、夏休みには読もうと思っています。
数年前、イギリスのブッカー賞を受賞した作品で、翻訳が出るのを楽しみに待っていた作品です。この小説も、作者の父親が日本軍の捕虜として泰緬鉄道の建設に携わったことが基になっています。

映画の中で、捕虜だったイギリス人がこんなことを言います。「日本政府は、遺憾だ(regret)と言っても、申し訳なかった(sorry)ということは言わない。遺憾なのは、あんなひどい扱いを受けたわれわれ捕虜の方だ。」「これまで何人の日本人にも会ってきたけども、何も変わらなかった。この映画で何か変化が起こるのかね。」

そう言えば、エルトンジョンの歌に、Sorry Seems To Be The Hardest Word って歌がありましたね。

映画『クワイ河に虹をかけた男」公式HP
小説『奥のほそ道』

akkoは日本のアストラッド・ジルベルト?

そんなことを考えているのはぼくだけでしょうが、My Little Lover のakkoのアルバム(acoakko debut)を聴いていてそんなことを思ってしまいました。
このアルバムが出たのはもう7,8年も前のことですが、最近、彼女のことを知りました。
とても気に入っています。Destiny のビデオはとても雰囲気があって、すばらしいです。
かつて、アストラッド・ジルベルトが大好きで、クルマの中でよく聴いていました。
アストラッド・ジルベルトも、akkoも、歌唱力という意味では、力不足かもしれませんが、とても魅力がある声と歌い方。

PS
昨夜、Celine Dionの東京ドームコンサートに行ってきました。ドームでのコンサートは20年以上ぶり。Celineの歌唱力はすばらしい!

MOS世界学生大会日本代表発表会

MOS世界学生大会2018
オデッセイコミュニケーションズで一番大切なイベントのひとつが、MOS世界学生大会の日本代表発表会。例年通り、東京国際フォーラムで本日、実施。全国から学生と学校の関係者が集まってくれました。
会場内の「仕掛け」の中で一番の人気スポットがここ。この前ですべての参加者のみなさんは記念写真を撮っていました。
参加者のみなさんはもちろんですが、準備してくれた社員および毎年お手伝いいただくお取引先のみなさんにもお礼を申し上げます。

『美しい顔』(北条裕子著)

ひさしぶりに文芸誌なるものをマジで読みました。雑誌「群像」の6月号。新人賞をとった北条裕子の『美しい顔』。東京新聞の文芸コーナーでなんどが話題になっていた作品で、ぜひ読んでみたいと思っていました。期待以上。簡潔で力強いストーリーが良かった。東北の震災で母親を亡くした17歳の少女と7歳の弟の物語。作者は東京に住み、被災地には行ったことがないそうですが。単行本になったら、また読んでみたい小説。

『戦争のなかで考えたこと(ある家族の物語)』

先日101歳でお亡くなりになった日高六郎の著作の一つ。
中国の青島で生まれ、旧制高校から東京帝大を卒業する間、学校の休みには青島にある実家に帰省していたこと、日本の言語空間に制約されることなく、日本と中国の間を行き来しながら、保守的であるが中国人に親愛的な考えを持っていた父との会話から考えを深めていったことなど、作者の成長の過程において影響を与えたさまざま出来事について、たいへん興味深く読みました。

作者の本はほかにはあまり読んだ記憶がありませんし、この方に関して、さまざまな評価があるようですが、この本に関して言うと、たいへん読みやすく、また現在の日本の東アジアにおける困難な状況を歴史的なバックグラウンドから、的確に指摘されているように思います。たいへん共感を持ったとも言えます。この本の中で指摘されている日本敗戦の原因は、残念ながらいまも変わらず残っているどころか、だんだんと強くなっているように感じます。

この半自伝的な作品を読んでいて思ったのですが、この作品を基に映画を作ってみると面白い作品になるのではないかと思いました。

芝園団地(川口市)

昨日の朝日新聞「Globe」にあった「芝園団地」(川口市)に関する記事は、外国人を受け入れることはどういうことなのか(どういうことが起こりうるのか)を考えるための、とてもいい教材だと思いました。記事を書いたGlobeの副編集長自身、この竹園団地に住んでいて、外国人住民が半数を占めるこの団地で経験するさまざまな摩擦を紹介しています。外国人住民の大半は中国人ということです。古くから住む日本人たちは高齢化が進み、新しく入ってきた外国人家族たちとは、同じ団地内に住んでいたとしても、ふたつのグループは交わらない二つの世界を形作っているということでした。
ワシントン特派員として10年アメリカに滞在した記者の方が率先して体験される日本国内の外国人との摩擦の記事は、たいへん興味深いお話でした。

「日本軍兵士_アジア・太平洋戦争の現実」(吉田裕著)

昨年末に出版された本ですが、ベストセラーになっているようです。
特攻隊やインパール作戦の悲惨さはもちろんですが、前の戦争の日本軍兵士が経験した実態のひどさ、悲惨さは想像以上です。一例をあげます。戦争が終わった後にも悩まされたという水虫の話。泥沼のようなところを、軍靴を脱ぐこともできず、半年も1年も這いずり回っていた兵士の足がどんなにひどい水虫にかかっていたのか、想像しただけでも恐ろしくなってきます。
著者の吉田先生は、近現代政治史、軍事史の研究者。
著者は1944年から敗戦までを「絶望的抗戦期」と名付けています。この期間中に、兵士を含む日本人戦没者310万人の約9割がなくなっていると推定され、年次別の戦没者を公表しない政府を非難されています(アメリカは年次別どころか、月別の死亡者も発表)。そのようなデータを発表することに、何か不都合があるのでしょうか?「知らしめず」という日本の伝統か?

『「日本人」といううそ』(山岸俊男著)

『信頼の構造』で日経・経済図書文化賞をとった山岸先生が、一般読者むけに書かれた、「武士道精神は日本を復活させるか」という副題を持つ本。
図書館で借りてきた本ということもあって、流し読みをしていたら、途中でジェイン・ジェイコブスの話がでてきて、それからはマジで読みました。(先日のブログで紹介した、あの、ジェイン・ジェイコブスです)
ジェイン・ジェイコブスは人間には二種類のモラルがあって、ひとつは、市場のモラル、もうひとつは統治のモラルとしています。山岸先生は、ジェインのいう市場のモラルは、日本では「商人道」であり、統治のモラルは、「武士道」であると置き換えています。このふたつを混乱させることは最悪の結果をもたらすとしていて、まさにいまの日本の状況がそれではないかと、されています。
現政権は、意識的にでしょうか、それとも無意識なのでしょうか、このふたつの混乱を積極的に進めているように見えます。精神論ではなく、仕組みやルールで、「情けは人の為ならず」という社会を作っていくことが大切だというのが山岸先生のご意見。別の本(『きずなな思いやりが日本をダメにする』(長谷川眞理子、山岸俊男著)でも、政治家や役人たちが、精神論に偏っていて、サイエンスを理解していないので困るという趣旨のことを、お二人で強調。とくに長谷川先生は、政府の各種委員会に呼ばれることが多い方なので、実体験からのご発言)

以下、市場の倫理と、統治の倫理の概要。
市場の倫理:
暴力を閉め出せ
自発的に合意せよ
正直たれ
他人や外国人とも気やすく協力せよ
競争せよ
契約尊重
創意工夫の発揮
新奇・発明を取り入れよ
効率を高めよ
快適と便利さの向上
目的のために異説を唱えよ
生産的目的に投資せよ
勤勉なれ
節倹たれ
楽観せよ
統治の論理:
取引を避けよ
勇敢であれ
規律遵守
伝統堅持
位階尊重
忠実たれ
復讐せよ
目的のためには欺け
余暇を豊かに使え
見栄を張れ
気前よく施せ
排他的であれ
剛毅たれ
運命甘受
名誉を尊べ

詳細は、『市場の倫理 統治の倫理』(ジェイン・ジェイコブス著)を。

『こんなとき私はどうしてきたか』(中井久夫著)

医学書院からでている「シリーズ ケアをひらく」の一冊。医療関係者の本は読んでいてとても参考になるし、面白いものが多いです。著者は精神科医としてだけでなく、文筆家、詩集の翻訳者としても高名な方で、これまで何冊か作品を読んだことがあります。医者でありながら文芸家として素晴らしい仕事をされている方々がいます。その方々の才能と努力を尊敬します。ぼくのような凡の人間にはなかなか真似ができないです。
「改革時の病棟マネジメント」というお話では、「改革と治療成績は同期しない」「士気の再建にはベースキャンプまで戻る」「パーキンソンの法則」(希望者が多い場合には条件を一つ増やす。ゼロになったら一つ条件をゆるめる。そうするとかならず適当な人間が選ばれる条件の数になる)「無理やりにでも休ませる」など、会社経営にもとても参考になるお話だと思いました。
優秀な方のお話はどの分野の専門家であったとしても、普遍的な価値を持っているという、一例。

書籍「High Line」 と映画「ジェイン・ジェイコブス」

ぼくが発行人を務めているアメリカン・ブック&シネマで数年前発行した本で、「High Line」という作品があります。
チェルシーからウェスト・ヴィレッジにかけてHigh Line があるエリアは、マンハッタンでももっとも「ホット」なスポットになっています。この本を読んでニューヨークに行ってもらいたいなと思っています。
この本を出していたことで、昨年、映画「ジェイン・ジェイコブス」を日本で配給する会社の関係者とお会いする機会がありました。ジェイン・ジェイコブスはあまり日本では知られていないと思いますが(ぼくはよく知らなかったので、お会いした後に、彼女の本を1、2冊読みました)、ニューヨークの建築や都市計画について、積極的な市民運動を行った方です。
まだ映画を見に行っていないのですが、必ず見に行こうと思っています。
映画「ジェイン・ジェイコブス」

『創られた伝統』(エリック・ホブズボウム、テレンス・レンジャー編)

5月6日の朝日新聞朝刊の「日曜日に想う」で、編集委員の大野博人さんが紹介していた本。
原題は、The Invention of Tradition。伝統とは、遠い昔から受け継がれたものと思いきや、実際はその多くがごく最近(といっても、昨日というわけではなく、10年、100年前に)、人工的に、それも隠された政治的意図をもって創り出されたものであることが多いと、しています。取り上げられている研究対象は、イギリスのことが多いです。(イギリスの先生方の本です)
80年代かな、世界的にはやったイギリスのバンド、ベイシティローラーズ。彼らはタータン文様のキルトをさかんに使っていたけど、このタータン文様も、スコットランド人が盛んに使い始めたのは、イングランドによる併合が成立したあと、ものによっては、さらにずっと後年のことで、それらはある意味、併合を阻止するための抵抗の象徴であったと、この本にはあります。(「伝統のねつ造ースコットランド高地の伝統」)。
ネットでちょっと検索してみると、日本の多くの「伝統」と言われるものも、明治政府がでっち上げた「伝統」ではないかという趣旨のことを書かれている方が多い。今年は明治が始まって150年。若いころは100年はものすごく長い時間だと思っていたけども、60年近く生きていると、結構短い時間の経過、ごく最近とまでは言わないけど、結構最近ではないかと思うようになってきました。
バブル崩壊後、失われた20年といわれ、中国の台頭によって、東アジアにおける力関係は大きく変化しています。また、朝鮮半島情勢も、どうなることやら。こんな中、どうしても心のよりどころを、「日本の伝統」に求めたくなるのもわかるのですが、そんな「日本の伝統」も、よく見てみると心もとないものだったりすることもあるので、あまり偏狭なナショナリズムには気をつけたほうがいいと思っています。
「創られた伝統」(紀伊國屋書店)

「百術有りと雖も一清に如かず」

「日本の大学は東大か、東大以外に分けられる」ということは、ずっと前から言われています。霞が関で働くエリート官僚は圧倒的に東大卒が多く、特に東大法学部卒、せいぜい経済学部卒。以前、いろいろな経緯があって某省の事務次官になった地方国立大学卒の女性がいらっしゃいましたが、例外中の例外ではないでしょうか。
今朝の天声人語にいい言葉が紹介されているなと思いました。
「百術有りと雖も(いえども)、一清に如かず(しかず)。」平安時代能吏として活躍した橘良基(たちばなのもとよし)の言葉だそうです。「治国の道」を聞かれ、百のわざを駆使するよりもひとつの清さが大切だと答えたとか。
学校の勉強ができるから、公務員試験に上位で合格したからと、学校を卒業して何十年も経ってからも、そんなことを自慢している「頭でっかち」で志もすり減ってしまったエリートたちに支配される国民の一人として、この国のこれからのことを時々悲観的に考えてしまいます。

米人記者が取材した特攻隊員

東京新聞夕刊(2018年3月29日)で、アメリカ国防省が運営している「星条旗新聞」(Stars And Stripes)の記者(マシュー・パーク)が、特攻隊員として22歳で亡くなった、上原良司さんの取材をしているという記事を読んだ。知覧の特攻平和会館を訪れた際、上原さんの存在をしり、「権力主義、全体主義の国家は一時的に隆盛であろうとも、必ずや最後には敗れる」と遺書にしたためていた上原さんの文章に衝撃を受けたとか。
この記者は3年前に記事を書いて、次はノンフィクションを自身初の単著として仕上げようとしているということなので、その本が出てくることを楽しみにしたい。
上原さんについては、日本語だけでなく、英語でもネットに多くの情報が出ている。

BBC Remembering the Kamikaze Pilots
ウィキ

今の日本は戦前、戦中の日本のような全体主義ではないかもしれないけど、「権力主義ではない」とは、決して言えない。特に今の政権に関して。残念ながら、日本だけじゃなく、中国も、ロシアも、そしてアメリカさえも、「権力主義」に覆われているとも言えるんだけど。

映画「レオン」

ナタリー・ポートマン13歳の映画デビュー作。衛星放送で録画溜めしていた一作。この映画、映画館で観たはずなんだけど・・・
2010年の「ブラックスワン」についで彼女の映画は2回目。エンディングで使われているスティングの
Shape of My Heart」がしぶい!

『不確かな医学』(TED Books)

10年前、あるいは20年前、先輩方が健康のお話をされていると、どうも話に関心を持てなかったのですが、大切な存在が命の終わりをむかえ、自分自身も身体のどこかが調子悪いことが続くようになり、医学や健康に関してとても関心を持つようになりました。
『不確かな医学』の著者は、インド人、シッダールタ・ムカジー。がんの研究者であり、2011年のピューリッツアー賞を受賞した『病の皇帝「がん」に挑む』の著者。
実はいまこの『病の皇帝』の上巻を読んでいるところですが、中休みを兼ねて、同じ著者の手軽な本を読みました。TEDのスピーチをもとにしてできた本かと思います。この本の中で、彼は医療現場の法則として以下の3つを挙げています。
1 鋭い直感は信頼性の低い検査にまさる
2 正常値からは規則がわかり、異常値からは法則がわかる
3 どんなに完全な医療検査にも人間のバイアスはついてまわる
これらは医療現場だけでなく、ビジネスにおいてもあてはまることではないかと思いながら読みました。
この本の中で、ベイズ(統計学の「ベイズの定理」のベイズ)の話もでてきます。宗教家でもあったベイズに関心を持ちました。
TEDトーク(英語)

宇都宮、郡山、神戸、京都

木曜日から、久しぶりに「新日本紀行」。
木曜日、金曜日は経済同友会の全国セミナーに参加するため、宇都宮へ。「観光立国日本」で有名になったデービッド・アトキンスンの講演が勉強になりました。
同友会のセミナーが終わった後の午後は、宇都宮のお取引先を訪問、夕方には新幹線で郡山に移動し、郡山のお取引先のみなさんと懇親会。夕食後、21時前の新幹線で東京に帰ってきました。
土曜日は、飛行機で伊丹まで飛んで、バスを乗り継いで兵庫県立美術館へ。お目当ての企画展「小磯良平と吉原治良」のすばらしいことに感動。5月27日まで続くようですが、終了前にもう一度観賞にいくつもりです。
今日日曜日は東福寺の原田老師を囲む会に出席。今回で2回目になる原田老師のご高話。飾らぬ人柄と謙虚な姿勢がすばらしいと思いました。秋に行われるであろう3回目にもぜひ参加したいです。
東、西と行ったり来たりの数日でしたが、たいへん充実した4日間でした。明日からもまた頑張ります。(GWはクウ太郎君と毎日いっしょ!)